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伝説の教祖 - 昇合拾数(6)「ある神社の次男坊」

昇合誕生!

伝説の教祖 - 昇合 拾数(のぼらい ひろかず)

東北地方の田舎町、333年の歴史を持つ神社に、次男坊として生まれる。物覚えの良さとその特異な言動から、神童と呼ばれ、将来を期待される。

 

しかし、若くして道を逸れた昇合は、波乱万丈の人生を歩む。神主、占い師、マジシャン、政治家、哲学者、など様々な肩書を持ち、浮浪者時代を経て、教祖として数々の記録を残すこととなる。

 

三度の「三種の神技」達成で日本中を驚かせ、世界に進出して「奇跡」を複数回達成。世界初の「神との調停」「宗教間トレード」「他宗教の神を信仰」など、型破りな教祖像を世に知らしめた。

 

やがて彼は、神と呼ばれるようになり、世界で最も人類を救済しつつ、世界で最も嫌われる存在となる。まさに彼は「異端」である。

「何かが憑いてるんじゃあないか?」

 

 昇合拾数……彼ほど多面性を持った教祖は、人類史を振り返っても稀ではなかろうか? ある時は神童と呼ばれ、ある時は金満政治家、またある時は神と崇められ、神の子とも呼ばれれば、もう一人の神とも呼ばれ、ある時は神と裁判し、またある時は一教祖でありながら別の宗教の神を崇拝するという前代未聞の曲芸的な生き方を見せた。まさに神がかり的な存在である。

 

 昇合の生い立ちを見ていこう。東北地方のとある田舎町、333年の歴史を持つという、比較的新しい神社に次男坊として生まれたのが、昇合拾数である。由緒ある家ではよくある話だが、長男と比べて彼はある程度自由奔放に育てられた。

 

 幼い頃の昇合は、おもちゃの代わりに神主が祭祀やお祓いの際に使用する「祓串(はらえぐし)」を持たされ、神主の真似事をしていたそうだ。一人で歩けるようになってしばらくした時、すでに祓串を手にしていたと言い、3歩歩いては3回振り下ろす動作をして、周囲を驚かせていた。その当時の神社の創建年数にもかかっていて、家族は何か演技の良さを感じずにはいられなかった。


 しかし、その中で唯一、霊感の強い祖母は心配していた。言葉もろくに使えない幼児の奇妙な行動を見て、「何かが憑いているんじゃあないか」とじいさんに相談したのである。しかしじいさんは、「もしそうだとしても、祓串をこれだけ振り回していれば、悪霊もそのうち呆れて離れてしまうだろう」と楽観的であった。

 

つづく